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zoom RSS 『ハウルの動く城』DVD鑑賞 ★★☆

<<   作成日時 : 2005/11/19 22:53   >>

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 劇場へは「えぇ、キムタクと倍賞千恵子?」って思って見に行かなかった。
 で、DVDを見た感想は…というと「普通」だね。
 DVDに収録された他の言語を聞いてみると、ソフィーとマルクルの声質は、日本語と英語は見事によく似ている。ハウルとカルシファーは英語版ははるかに美声で渋い。まあ、アメリカ人の考える魔法使いのイメージなのだろうが、絵柄はハウルは線が細いのだし、カルシファーはコミカルな存在なので合っていない気がする。
 フランス語は素晴らしい。
 ソフィーとマルクルはやはりよく似た声質だが、男の声は英語版より日本語版の質に近い。そして、フランス語のまるっこい響きがハウルの絵柄に絶妙に合っている。
 原作者はイギリスだし、朝ごはんのシーンは「英国式朝食」なので、原作の設定は英国かも知れないけれど、「ソフィー」という名前がフランス人ぽいし、色彩豊かな街の風景はイギリスでは有り得ないし、兵隊さんの軍服も、どうみてもイギリスというより地中海的だ。
 だから、宮崎的にはやっぱり地中海。ラテン系つながりでイタリア語も良さそう。
 さて、そのフランス語版を基準に日本語版を見ると、日本語のハウルは「もそもそ」言っているだけ(特に前半)。意図的に棒読みにしているようで、いいも悪いも無い…が、キムタクが普通のドラマと同じに俺流に演じるよりはまったく良かったと思う。
 厳しいのは、「少女のソフィー」だ。
 外国語版は英語もフランス語も少女とばあちゃんと、声優を二人使っている。
 少女のソフィーも若い割には地味な女の設定なのだけれど、それでも少女とばあちゃんを一人が演ずるのは厳しい。王宮でしゃべりながらばあちゃんから少女に変化するシーンで比較すると、日本語は変化の幅に限界がある。英語は絶妙にグラデーションを付けていて、まるで音声のSFXである。フランス語はバチっと切り替わっているがそれはそれで分かりやすい。
 同じシーンの国王からハウルに変化するところは、日本語の国王は「大塚明夫」なのだが、これはマジで上手い。
 いくらキムタクが「意外に自然に聴けた」といっても、ベテランのテクニックには及ばない。監督はベテラン声優の起用を避ける傾向にあるようだが、ジブリの「絵」は、アニメとしての人工の美、様式美で固めているのに、「声」は声優として素人のほうが良いなんて、ちょっとおかしい気がする。
 これは、作品としての絶対的な完成度より、監督の個人的趣味を優先しているだけに思えるのだ。
 後半では徐々に少女のソフィーの出番が増えるし、それは結構重要なシーンが多い。やっぱり「美少女の声」で聴きたくて、フランス語版はここでも理想に近い。
 惜しいのはDVDの収録が、フランス語版が5.1ch収録ならパーフェクトだったのに…と。

 さて、絵は素晴らしい。ソフィーの心の動きに合わせて年齢が変化して見える書き分けは絶妙。コミカルなのはばあちゃんのときのソフィーで、シリアスなシーンは少女。こういうのは、アニメでなければ不可能だろう。
(だから声も少女の時のソフィーは大切にしてほしかったところだが、たぶん監督の心の中の倍賞さんは「永遠の美少女」なんだろうなぁ…。)
 時代がCGアニメ主体に変化している中で、ジブリの作画は手書きの味わいで勝負してきたようで、これはとても良いことだと思う。
 手書きの味わいを維持したままで、実写でのカメラの移動に相当する技術を3D-CGで補完している使い方は、手書きアニメの美質を損なわずクオリティーを底上げしている。
 実写そっくりを志向するCGアニメには無い「絵だから出来ることがある」と主張しているようだ。


 ストーリーは要するに「戦争反対」ってこと。
 あとはキャラクターの個性で持っているような作品だ。
 とにかく、ソフィーばあちゃんと火の悪魔カルシファーが可愛い。
 何故城を守るカルシファーがソフィーに対してドアを開いたのか、とか、カルシファーは暖炉に縛られ、あれほどハウルに働かされて、二人の間の契約でカルシファーのメリットって皆無に思えるとか、荒地の魔女と白い魔女の意味とか、まあ、アニメで描かれていないものは非常に多いのだが、たぶん、城が動いて、ハウルとソフィーがハッピー・エンドなら細かいことはどうでも良いと、そういうことだなぁ。
 ストーリーとしては、ハウルとカルシファーとソフィーの三人しか必要ない。あとは最低限「敵」として魔女か王さまどちらかがいれば。
 もっと切り詰めると、ソフィーとカルシファーの二人漫才でも成り立ってしまいそう。
 それで成り立っているんだから、とにかく「アニメ」が素晴らしかった ということなのだろう。


 とこで、最後で白魔女が「馬鹿げた戦争はやめましょう」と言わず、「ここで最後の一押し」とハウルを攻撃していたら、彼ら全滅だったんじゃ無いだろうか?
 どうよ?
 白魔女が攻撃を止めた理由は?…愛、ですか?

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